私は元々柳浩太郎くんのりあこをしてたので、やなぎくんの出演作はつまらなくてもどうにか面白いところを探して観ていました。
「メモリーズ3」とか苦痛だった。その時のビジュが大好きすぎて円盤買ったし舞台写真も全部あるけど。
「ルドンの黙示」もビジュとポスターが好きすぎて関連物全て持ってるけど、DVDの音質が悪すぎてラストの挨拶がほぼ聴こえなかった。話も賛否両論別れる話だと思う。
Dステの「ヴェニスの商人」はよかった。
ワガママ女子そのもので、すごく良い演技をしていた。
テニミュと「ヴェニスの商人」を除く出演作の中でこれは面白いぞ!!と素直に高評価だったのが、タイトルにある「完全なる飼育 メイド、For You」です。
これはざっと言うとメイド喫茶に通ってるネカフェ店長がある日メイドさんを誘拐監禁してしまうも、向こうも色々あって急速にエロに発展、エロシーンのみ3Dなどというふざけた作りなので赤と青の3Dメガネとかいう懐かしグッズが必要だったりする。エロシーンが多い。客はそこ目当てで来てます。つまりB級映画です。だけど私はこの映画の細かい要素がとても刺さった。。。私が「エロなんて飾りです!」と言いたい映画No.1だ。
なんというか、私はこの映画のような恋愛(?)をして、愛する者と心中したいと思わせる映画なのだ。
たしか、と書いてある部分は記憶で書いているので間違ってるかもしれない箇所です。
まず単純な映画としての評価要素。
これはやなぎくんが事故に遭い、高次脳機能障害を患うようになった後の作品なのですが、彼はその影響で事故後は滑舌が悪い。テニミュのネタ動画を見たことがある人はみんな知ってるはず。「あいつこそがテニスの王子様」の時のリョーマ役をやっているのが彼です。ちなみに不動峰再演は遠藤雄弥とのダブルキャストだが、遠藤雄弥は単純に歌が下手なので(私は遠藤雄弥のことは好きです。)混同している人も多いと思う。
で、そのやなぎくんの滑舌の悪さを活かしているのがこの作品である。それはすごく残酷なことだと思うけど、その時点の彼の魅力を引き出せる配役という意味では優しい行為かもしれないと思う。
やなぎくん本人はかなりのはっちゃけ人間、まあちょっとDQNっぽいところがあるのだが、この映画では本人と真逆のオタク青年を見事に演じ切っている。テニミュは初演技だった。それを思うと彼はもっと輝けたと感じる。それがとても歯痒い。それでも彼はこの映画で素晴らしい演技を魅せてくれた。前まではNetflixにあったのだが、今はない。また復活するかもしれないので、そしたら是非見てほしい。(追記:U-NEXTにあった。)
ここからは私の個人的に刺さった部分。
前述の「この映画のように 〜」にあたるのはまず、空気感。秋葉原が舞台なので街はうるさい。しかし、そこには静けさがある。椛島(やなぎくんの役名)の将来への不安、葛藤、悩み、他にも彼を苦しめる要素が喧騒の中に静けさを生むのだと感じる。
その喧騒の中の静けさを私はいつも求めている。
椛島はメイド喫茶勤務の苺ちゃん(源氏名)にガチ恋しているのだが、手作りのクッキーを捨てられたりと、客を嫌っている(たしか)。監禁の経緯も苺ちゃんが薬(おそらくオーバードーズ)で倒れているのを介抱しようとしたところから。
正直そう思いたくないが私はメンヘラに当たると思う。
だから椛島は救いにも近く思えてしまう。
そして椛島はオタク側であり、しかもすごくピュアなオタクである。キャストと客の関係で本人からしたら裏切られても好きでい続ける彼はとてもピュアだ。
アイドルや若手俳優等に執着する私達には泣けるものがあると感じる。
冒頭のネタバレはしてしまったが、ラスト付近の話をしたい。また少しネタバレだけど。そこがとても好きだ。
濡れ場のシーンなのだが、苺ちゃんは実はホームレスで、たしか駐車場の地下?(ここもたしか)に寝泊まりしている。
そこで濡れ場があるのだが、大量の蝋燭に囲まれて二人はセックスする。
これは映画の「ロミオとジュリエット」のオマージュに間違いない。
しかもそれがチープであることが尚更寂しさを増す。
そういった全編通しての喧騒の中の静けさ≒寂しさが大好きだ。
二人が愛し合うようになったのはストックホルム症候群なんだろうけど、
私はこのような空気の中で死にたい。
そう常々思っている。