つぎはぎ/偶像/天使たち

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北公次とマッチの自伝から考察するジャニー喜多川の文章

どうも、ジャニーの文章が大好きなりるかです。

公には他人が書いた事になっているジャニーの文章、作詞、沢山ありますね。私はそれが大好きです。ジャニーズの自伝本、マッチのと北公次の(と、戸塚さんの)を私は持っている訳ですが、内容的に恐らく両方ジャニーの書いたゴースト本です。それらに書かれた名文や、舞台でのこれまた恐らくジャニーの言葉であろうものたちを紹介しつつその魅力を伝えたいと思います。良い文章は書いた人間の人間性など関係なく良い物です。

 

北公次の自伝本、「256ページの絶叫」これは北公次の作詞となっているものがジャニーによるものだという暴露もある時点でほぼジャニー作で間違い無いでしょう。この本は詩集に近いものなのですが、「北公次ロマン詩集」という詩の朗読のようなレコードがあり、そちらではこの本に書かれた詩が朗読されていたりします。この本は粋な造りの本で、ラストはなんと「ボクとあなたのページ」と題された「詩の好きなあなたのための白いページです」とだけ書かれたページから6ページにわたり真っ白なページが続くという美しい終わり方です。さて、この本の詩の中には後のジャニーズ楽曲に出てくるフレーズが幾つも出てきます。それを挙げていきましょう。

「あなたの心をはかる機械を手にいれたいのです」

「人の心を計る機械がないように」

これは「Kissからはじまるミステリー」の「心覗く望遠鏡」に近いです。

「夜明けを待ちたい 宇宙を飛ぶロケットがあっても」

こちらは公式にジャニー作詞とされてる唯一の楽曲、「Them Of Coming Century」の「it's like 夜明けの太陽」「ロケット捨てて宇宙遊泳」に近い。

「愛してる 愛してない 愛してる………」

「愛してる 愛してない」これはちょっと無理があるかも……。

「あなたの前にはぼくがいることが」

言わずと知れた「Youの前にはMeがいる」他にも「あなたの前に僕がいた」、「あなたがいたから僕がいた」、「キミのためボクがいる」、「ずっとLOVE」の「ベルが鳴り幕上がり君と僕がいる」、と受け継がれ続けるフレーズ。

他にも「春 夏 秋」と続けて書かれる文、「スニーカーぶる~す」に続きそうなフレーズも頻出します。ちなみにこの本の詩の中で私のお気に入りは三行広告のような言葉を くりかえしているうちに いつのまにか秋がまい戻ってきました」というフレーズです。

 

次にマッチの自伝本、「いま俺、やるっきゃない」。これは何がとかじゃ無く、明らかにマッチの文体じゃなさすぎます。面白いのはマッチっぽくなくなるたびに文頭文末に「俺、」「、俺。」と付けて誤魔化して(誤魔化せてない)いるところ。普通に名著です。マッチが書いてない根拠としてかなり大きいものは、マッチは日本が戦争に負けたことを知らなかったのに、基地の戦闘機に思いを馳せた詩が二つも載っているところ。

この本の一章のタイトルは「南の島から君の胸へ」。ジャニーは映画の「南の島に雪が降る」が好きですね。私も好きです。この本は詩の部分を除いて全編読者(マッチのファン)に宛てた手紙という体で書かれています。素敵な文なんですよね。そしてこの本のジャニーっぽいところが四点。「海の話が多い」「星の話が多い」「野球の話が長い」「やたらビーチで遊ぶ少年に目線が行ってる」。海と星はジャニーが度々モチーフにするもの。野球はジャニーの大好きなもの。そして少年に関してはお察しください。普通そこまで観察しないだろいってくらい少年の観察をしてるんですよ、この文章。うん・・・ジャニーが書いただろ・・・。そしてこの本にも「世界に一つだけの花」に通ずる文があります。

「美しいというのにも、いろいろあって、そんなに単純に決められないと思うんだ。 たとえば野原にひっそりと咲いている名もない花は、ひそかに咲いているからとってもきれいなんだ。青山のしゃれたフラワー・ショップで売られている花のほうが美しいとは限らないよね。」

それから、ジャニーズ事務所は昔からファンの子たちには勉強をしっかりするように、サボってファミクラに来ることのないように、といった考えです。(少年隊のドキュメント!ジャニーズ事務所でも三人がファンに向けてそれを言っています。)そして、この本には「俺の分まで勉強してくれ」と題された文もあります。

そして「俺も信じられないか」という二章のラストがとんでもない名文です。本当にみんなに読んで欲しいのでここに全文書いちゃいます。

「俺、この章の最後に思いきって書くぞ。いいかい?死んじゃダメだぞ。どんなにつらくったって、どんなに悲しくたって、死んじゃダメだぞ。俺の生き方なんて、君から見れば軽べつの対象かもしれない。でも俺は生きるぞ。どんなにつらくたって、どんなに悲しくたって、俺は生きるぞ。俺は一度考えたことがあるんだ。俺は誰のために歌うのかって。俺は誰のために映画に出るのかって。俺たちのためなんだ。俺と君のためなんだ。 悲しいことだってあったさ 悔しいことだってあったさ つらいことだってあった だけど俺は耐えたよ 生きぬいてきたよ 俺たちのために 俺と君のためにね 俺、18歳になった。 ということは18年間生きてきたってことだ。これからもまだまだ生きるだろう。でも18歳になったとき、はじめてこんな気持ちになった。 それまではガムシャラに走ってきた。何もとまどうこともなく、一直線に疾走してきた。そして、ひたすら走ってきたオートバイの後ろに、いつのまにか君が乗っていた。 もう俺、スピードはゆるめれないかもしれない。ただ走るだけかもしれない。でも走りながら、今度は話ができる。後ろに君が乗っているからだ。 「もっとスピードをあげようぜ」「しっかりつかまっていろよ」「疲れたら休んでもいいぜ」 俺、勝手なことをしゃべりながら走りつづけるつもりだ。まだ見たことのない道を走るかもしれない。子供のころの自転車のように、急な坂で転びそうになるかもしれない。 でも、いったん君を乗せた俺の二輪は走りつづける。「どこまで行くの?」「スピード出して大丈夫?」「休んだらダメ」 君も勝手に返事をしながら、また走る。 景色は変わっていくだろう。青い海が見えたかと思うと、トンネルに入ったり、花が咲いていたり、にぎやかな町に入ったり……。 風も吹くだろう。雨に降られるかもしれないな。吹雪の中を突っ走るかもしれない。 へとへとに疲れようが 涙と汗でぐしゃぐしゃになろうが 俺は走るだけだ 君を乗せて 君はいつから俺の単車に乗ったんだい? 俺が16のときか17のときか じゃあもう2年も乗ってるんだね 俺はそれまで自分のことだけを考えて走っていたから、君がいつ乗ったのか知らなかったよ。ごめんな。 「俺、子供のとき、ワルだったんだ」「学校じゃよく立たされたよ」「ケンカもしたなぁ」 俺、またアクセルをふかす。二輪がうなる。小さな石がタイヤの下からはねあがる。 俺、本当のことをいうと、どこへ行くかわからない。まだわからない。18歳じゃわからない。でも力一杯走るだけだ。何もかも没頭して、真剣になれるものを苦しんでつかんだんだ。だから全力で疾走するだけだ。 俺はなぜ走るんだ 俺は考えたことがあるんだ すぐに気がついた 俺たちのためさ 俺と君のためなんだって 急な上り坂だってあるさ ジャリ道だって泥んこ道だってあるさ だけど俺は耐えるよ 生きぬくよ 俺たちのためにね 俺と君のためにね 死んじゃダメだぞ。どんなにつらくたって、どんなに悲しくたって、死んじゃダメだぞ。いまはドシャぶりでも、きっと明日は晴れるさ。こうやって走りつづけているかぎり。俺も君も、もうやるっきゃないよ。信じられるものがなくなっても 俺と君だけは信じあおう!それとも 俺も信じられないか!!」

・・・みなさん、買った方が良いです。

長々と丸ごと引用した文でも命の大切さを語っていますが、ジャニーが作詞したと中谷良の暴露本で書かれちゃっていた楽曲の方の「裸の少年」も少年兵への悲しさと戦争の悲しさ、争いのない世界への望みを歌っていますね。反戦に関してはジャニーが一番表現したかった事で間違いないでしょう。

 

最後に、舞台で使われた恐らくジャニー作の名フレーズを。

「PLAY ZONE’90 MASK」より、冒頭スクリーンに流れる文章、

「このすべて衝撃的なミュージカルを今、SHOW劇と呼ぶ。」

単純な掛け言葉ですが、いいですねー。そして次、ドリボ初演のラストのタッキーの台詞。これは本当に大好きなのでまだ見てないジャニオタは即刻見てください。

「いいよなあ、絶望的な孤独って。でもさ、孤独とはいいもんだって語り合える仲間がいるってことは、もっといい。違うか?」

「大人は子供に戻れないけど、子供はやがて、大人の時代を迎えることができる。人間はみんな、出会いと別れを繰り返しながら、一生の間に色んな時代を生きる。限りなく無邪気な少年時代。深い溜め息を吐き、詩人となる青春時代。訳もなく人と争う、戦士の時代。その一つ一つ、俺たちはちゃんと、生きていかなければならないんだ。そうすればきっと、生きるという素晴らしさにいつか、触れることができる。」

文体やメッセージの内容からジャニーの言葉でしょう。歌詞についてなど、まだまだ触れたいことは沢山ありましたが、疲れてきてしまったので今回はひとまずここらで終わりとします。